数学的ギフテッドの脳:要旨

少し前のこちらのギフテッドの脳に関する記事で、私はギフテッドの人の脳について興味
があると書きましたが、その中でもとりわけ、”数学的センスや能力に優れた人達”の脳に
強い関心があります。


赤ちゃんの頃から(これは普通っぽくないのでは?)と思わせるような、数や数学的概念
に対して並ならぬ興味関心と能力を示していた∫を見てきていると、こう言った子/人達の
脳は、私達一般人の脳とは根本的に何かが違うのではないか?という思いを抱かずにはい
られず、もっと脳のことについて知りたい!という気持ちが強くなりました。


だから、数年前、スタンフォード大学でASD者を対象とした数学の能力に関する脳の研究
にも参加したのですが、残念なことにリサーチでは特定の個人に関する結果は教えてもら
えなくて、総合的な研究結果の報告書のみが送られてきただけでした。


(でも∫は個人的にはこう言った著名な大学のリサーチに何らかの形で貢献できたという
 部分に満足していたみたいだし、色んなIQや数学に関するアセスメントが受けられて
 とっても楽しかったそうなので、かけがえのない経験となりました。)

一応、興味のある方の為にその時の様子を報告した過去記事をリンクしておきますね。






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ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、ごく最近、ネットで数学の能力と脳に関
する情報を探していて、幾つかヒットした文書やリサーチ・ペーパーの中でなかなか興味
深いものを見つけたので、同じく「数学脳」(私自身は”数が苦悩”(すうがくのう)の方
ですが。苦笑)に興味がある方の為に、その文書をリンクしておきたいと思います。



とても興味深い読み物なので、出来ることなら全て日本語訳したいとは思うのですが、私
の言語能力や集中力、そして時間にもかなり限界がある為、気が向いた時に(⬅︎そこかよ
?)自分が面白いと思った部分を少しづつでも訳していければと思ってます。


多分、「数学的ギフテッドの脳」シリーズとして、普通の記事の合間に予告もなしに現れ
たりすると思いますが、でも正直言ってはっきりと約束はできないので、あまりあてには
しないでくださいね。

(かなりいい加減で申し訳ありません。😅)


というわけで、今回の記事ではこの文献のABSTRACT(要旨)の部分をざっと訳して
みました。


要旨


哺乳類、そして鳥類の全てに、よく発達した少数のものに対しての"numerosity"(日
本語では適切な単語が見つからなかったのでちょっと簡単に説明しますと、「数を言葉や
記号で表現できなくても、本能的に”認知できる”ある種の「数量認知能力」)の感覚が備
わっているとはいえ、私達の脳は「数学」をするために進化したのではない。というより、
私達の脳は神経系の相互接続性をうまく統合させることによって、学校での数学を学んで
いる。


数学(に関連する作業)に特に重要な部分というのが:

・ワーキング・メモリーをサポートするための外側前頭皮質

・長期記憶から知識や情報を再構成するための側頭皮質(そして海馬)

・意思決定の為の眼窩前頭皮質と前帯状皮質、その後、今度は辺縁皮質下部の領域内に
 て仲介(うまくまとめて処理)される。

(私の解釈としては、意思決定のプロセスは、眼窩前頭皮質や前帯状皮質などの大脳の
分野と共に、攻撃性や恐怖などに関連する扁桃体が存在し、感情を司る古い脳の部分で
ある辺縁皮質下部の関わりあいにもよるものだと思います。言ってみれば、私達の判断
や意思決定は、理論や理屈だけでなく、感情・情動の関与にもよるもので、「理性」と
「感情」の微妙なコミュニケーションによって下されるという事ではないかと思います。)

(私の知っている人の中には”感情”のみで意思決定をしているように思える人も決して
 少なくないですが。笑)

・象徴的表象の配列の為の紡錘状回と側頭葉の分野


・概念的な相互関係についての空間的推論に必要な頭頂葉

・メンタルリハーサル(ある場面をイメージし、想像の中で事前に練習し治療や学習に
 役立てる方法)の為の小脳


神経画像の研究によると、数学的に優れた被験者たちの脳では、これらの上に述べた
分野の(右脳、左脳)両側において、関与(活動)の増強が見られる。ギフテッドの
子供達の脳は相互接続性が強化されている。 神経画像における算術、代数、幾何学、
統計学、そして微分積分学のパフォーマンスでは、側頭葉が全ての数学の分野におい
て、大変重要な役割をしていることを示している。


側頭葉の主な役割が空間的処理であることから、その数学的思考への関わりは、空間的
推理の能力がギフテッドの子供達の数学の能力の良い予測の要因となっているといった、
学校の教師の報告と一致しているかのように思われる。


以上、「Mathematical Giftedness in the Brain」より抜粋。


う〜む。


ここでも又、数学の能力と「空間的推理」の能力の強い関連性が挙げられてますが、
他の分野と比べて、空間認識能力が凹である∫がどうして数学が得意なのかが不思議
であります。


何度もしつこいようですが、これまでの∫のIQテスト(WISCStandford-Binet
どちらのタイプ)でも、視覚空間認知を測る下位検査のスコアは、言語能力の分野と比
べるとかなりの差で低かったので、∫の場合、一般的な数学の得意な子のプロフィール
に一致せず、未だに不思議でなりません。


(ちなみにレゴやMinecraftに興味がない子なんて、うちの∫くらいじゃないか?などと
思ってしまいますよ〜。)


まぁ、だから数学の分野においても、一般の幾何学やTopology(位相幾何学)などに
もあまり関心がないのかもしれませんが。


ごくたまに、(もし∫が空間認識の分野に優れてたら、たまに数学コンテストなどで見
かけるような、中学生の時点ですでにUSAMO qualifierレベルのバリバリの数学少年
になってたかもしれないのにねぇ。)などと思ったりすることもありますが、こればっ
かりは仕方がありませんしね。(苦笑)


まぁ、人間の脳っていうものは複雑でミステリアスなものなので、そう簡単に一言で
説明できるものでもないんでしょうし。

だからもっともっと深く知りたいな、なんて思います。


この「数学的ギフテッドの脳」シリーズ、いつになるかわかりませんが、そのうち又、
続きを書きたいと思いますので、あまり期待しない程度に気長に待っててくださいね。


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by giftedinfo | 2016-05-21 02:58 | Gifted Brain

アメリカ在住。2e (Gifted & ASD)の子を持つママがこれまでネットや本、ペアトレ、ワークショップなどで収集してきたギフテッド/2Eに関する情報や、我が家が実際体験したギフテッド関連の事などを記録しています。My 2e kidのカテでは息子の自慢話も盛りだくさんですので、親バカ恐怖症の方は要注意!


by あーちゃんママ
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