2016年 10月 30日 ( 1 )

Dr. Kaufmanの反応

少し前のこちらの記事の中でとり上げた、「Maybe My Child Is Gifted. Maybe Not.
Maybe It Doesn't Matter.」というある母親がThe Huffington Postで書いた記事がこ
こ最近、ネット上のギフテッド・コミュニティの間でかなり話題になっていました。


このオリジナルの記事に対して、ギフテッド関連のブログなどで、幾つかの反応、反論記事も
発信され、それらの中には「ギフテッドとはなにか?」と、ギフテッドの定義や概念について
の論争を(又しても!)巻き起こすような内容のものもあり、私もそれらを読んで、再度、自
分自身、色々と考えさせられました。


それらの反応記事の中の一つ(ブロガーさん)に対して、私が好きな心理学者のDr. Scott
Barry Kaufmanが、自身のサイトに更に反応記事を書かれていて、それがとても興味深い
と思ったので、リンクしておきます。

(余談ですが、彼は学生の頃LDで特別教育に所属していて、”能力や才能を持っているけど
見落とされがちな子供たち”を、独自の経験に基づいたユニークなパースペクティブから見る
ことができ、彼の洞察力に溢れた見解は、ブログの記事や研究報告書を読んでいてもとても
参考になるし刺激的です。)


ギフテッドに興味のある方、是非、読んでみてください。(英語ですが。)



この記事の中でDr. Kaufmanが、最近、私自身もギフテッドについてなんとなく感じていた/
考えていたことを指摘していたので、すごく共感してしまいました。


洋の東西を問わず、ギフテッドの概念や定義については未だ、はっきりとしたコンセンサスは
なく、個人の感じ方、考え方でそれぞれ「ギフテッド」の概念が違ってくるのもある程度仕方
がないことだとは思うのですが、私が感じていた最近の傾向として、ギフテッドの定義として
(従来のギフテッドの定義であった)知的能力や学力などの”認知能力”が軽く見られ、感情的、
情緒的な性質(OE)がメインの特徴であるかのような風潮が強くなっている感じがしてました。


もちろん、感覚的/情緒的OE(記事の中では”exquisite sensitivity to the environment"
と表現されてましたが。)もギフテッドの特徴であることは確かだと思うのですが、これらの
特徴に重点を置いた、(強調した)Dr. Kaumanが言うところのこの”新しいギフテッドの概念”
は、(完璧ではないものの)IQや学力テストなどのように客観的に測定することができない、
個人の性格の違いと同じような性質に基づいているわけなんですよね。


”From a scientist's point of view, and even from a pragmatist's point of view,
I don't know what to do with this new definition of giftedness. How do you know
what other people really feel, or how intensely they feel it? You know your own
quail, and that's it."


と、Dr. Kaufmanも書かれているように、「環境に対する鋭い繊細さ、敏感さ」などといった
個人的な感覚(主観的)な性質を、一体どうやって測定/鑑定 /判断し、個人を「ギフテッド」
だと識別できるというのでしょうか?


もちろん、親の観察や自己申告という手もあると思いますが、感覚の過敏さや感情の強烈さは
ギフテッド個人独特の特徴とは限らず、これらの特徴は認知能力とは統計的に独立した、性格
の側面的な性質であるとのことなので、ギフテッドかどうかの判断基準要因としては、難しい
部分があるでしょう。


彼自身のを含む色んな研究結果によりますと、感情的関与(affective engagementー自己の
ポジティブ・ネガティブどちらものさまざまな感情にどれだけ忠実に深く関わっているかの度
合い)もIQとの関連性が低いとのことですし、HSP (Highly Sensitive Person)テストもIQ
の結果とは関連していないようです。


私も感覚過敏なのですが、(正式には測ったことはないけど)明らかに知能はごく一般(もし
くは平均以下?苦笑)なので、ギフテッドではありませんし。


Dr. Kaufmanによりますと、これらの結果はギフテッドのコミュニティで一般的に広く認識さ
れている、”IQが高ければ高いほど、道徳観も高く、感情の深さを体験する”という考えに矛盾
するということで、その意見?認識?の信憑性に疑問を抱くといったことが指摘されてました。


確かにこれは私も前々から気になっていて、ギフテッドというのはもちろん、知的能力や学力
の高さの部分だけでなく、感情的、感覚的な分野などを含む、多方面にわたっての特徴が見ら
れるとは思うのですが、でも「ギフテッドとは」と、その傾向や特徴を説明するにあたり、客
観的に測定できる要素(IQ)をあえて無視、または軽視して、数値化するのが困難、もしくは
不可能な「環境に対する敏感さや強烈さ」とか、「道徳心の高さ」とか、「逆境に負けない不
屈の精神性」とか、「正義感の強さ」とか、「他者に対する慈悲愛の強さ」とか、「社会や
団体に対する貢献心の強さ」などなど、どちらかといえば多様性が見られる個人の性格、性質
的な要素を「ギフテッドの傾向」「ギフテッドの特徴」としてギフテッドを主観的な目で定義化
することに対してものすごく違和感を感じるし、ギフテッドと言ってもその前にあくまでも一
個人なわけであり、彼らはそれぞれの性質や性格、気質を持って生まれてきているので、ギフ
テッドでも本当に色々なタイプがいるんですよねぇ。


それはPG(IQ 145+)と呼ばれているデイビソン・アカデミーの子達を見ていてもそう感じま
すし、大昔小学校の頃、ギフテッドの認定を受け、ギフテッドのプログラムに所属していた
経験のあるパパと、∫の二人を見ていても感じます。


実際、うちのパパと∫はどちらも知能検査での数値はIQ 130以上で、(パパは大人になってか
らも検査を受けているらしい)トラジッショナルな見方でいえば、”知的能力においてはギフ
テッドの範囲”ですが、OEやその他の性質的、精神的な要因においては二人ともかなり違いが
あり、知的能力(IQの数値)でいえば∫の方がパパよりも断然上なのですが、パパの方が感情
的OEが強烈で、まさに”世の中を生き難いタイプ”で、性格や性質が違えばここまで見方や感
じ方、行動なんかも変わってくるものか?などと思ったりします。


だから主に性格や性質的な特徴などの主観的なもので、「ギフテッドとはこういうもの」と
定義や概念を主張するのはどうかな?と思うわけです。


そして、「IQや学力が高くてもギフテッドであるとは限りません」という主張も、こう言った
感情の強烈さやその他の特徴がなかったらギフテッドじゃないの?それは何を根拠に言って
いるのか?ターマンによる元々のギフテッドの定義はIQが基準だったはずだけど、いつから
それだけではギフテッドではないと変わったの?」と聞きたくなってしまいます。

実際のところ、ギフテッドの定義が定まっていないことから、個人それぞれが自分の見方や
考え方で捉えた「ギフテッドの概念」を唱えたり、受け入れたりすることになるんでしょう。


だから個人的にはこの、


"Look; I don't have the answers by any stretch of the imagination. I do believe
that giftedness matters. But if the field of gifted and talented education truly
wishes to broaden conceptualizations of giftedness beyond academic
achievement, or even cognitive ability as measured by IQ test, it won't hold
water to say things like: "the gifted child lives and experiences life more
intensely". There is indeed a way of scientifically operationalizing this hazy
definition, but I should hope that if we truly care about supporting exquisite
sensitivity to the environment, as well as any other dimension of giftedness,
we could do better to define the terms, define the measurement, and define
the interventions, so that we can give help to the specific population of
children who would really benefit from the support."

(Does Gifted Matter?より抜粋)


というDr. Kaufmanの言葉に私も大いに共感したというわけであります。


ところで、この記事のコメントのセクションがめちゃめちゃ興味深くて面白いので、(特に
Edward Spiegelという方のコメントが、ギフテッドの子を持つ親の気持ちを本当によく理解
していて、(そうなの、そうなのよ〜!)とうなづきながら読みましたよ。)できればそちら
の方も是非、目を通してみてください。


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by giftedinfo | 2016-10-30 06:49 | Identification

アメリカ在住。2e (Gifted & ASD)の子を持つママがこれまでネットや本、ペアトレ、ワークショップなどで収集してきたギフテッド/2Eに関する情報や、我が家が実際体験したギフテッド関連の事などを記録しています。My 2e kidのカテでは息子の自慢話も盛りだくさんですので、親バカ恐怖症の方は要注意!


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