カテゴリ:Testing &Assessment( 5 )

IQテスト:数値を超えて考慮する点

最近ではネット上でも知能検査に関して、様々な情報が見つけられるようになり、本当に便利に
なりましたよね。

でも日本ではそれらの情報も、主に特別教育(障害の診断)関連を対象としたものが多く、子供
が学校から検査を勧められたので受けさせてみたところ、結果が高数値だった、でも、これら
(高知能)に対する情報は比較的少ない為、さて、この結果が一体、何を意味するのか?と戸惑
っている親御さん達も少なくないのではないか?と思います。

日本には”オフィシャル”なギフテッド教育やプログラムがないので、知能検査の結果は、そうい
ったサービスの参考(資格の判断やプレイスメント等)にされることもないと思いますし。

こちらの(毎度お馴染み)SENGのサイトで、IQテストに関してちょっと頭に入れとおくと役に
立ちそうな情報を見つけたので、リンクしておきます。


この記事の中の、

Quality of the answers is considered as part of the evaluation process, along
with speed, diversity of ability, knowledge, perception of nuances in words and
ideas, and ability to perceive patterns and overarching concepts. This is often
one of the ways you can spot gifted, unmotivated kids and who are gifted and
learning disabled (2E for "twice exceptional".)


スピード、能力の多様性、知識、言葉や概念の微妙なニュアンスの認知力、パターンや包括的な
概念を認識する能力などと共に、応答の質(クオリティ)も評価過程の一部とみなされる。
これら(子供の応答の質ーただ正解か、質問に答えられたかだけでなく、答えの内容、その理由
や理屈などと言ったものだと思います。)はしばしばギフテッド、やる気を失った子、そしてギ
フテッドであり、同時に学習障害を持つ子達(2E)を識別する一つの方法ともなっている。


という部分にうなづきました。

私もこれは過去に、∫の数々の知能検査を通して個人的に経験がある為、このポイントはとても
重要だと思いました。


一口に心理士といえど、その個人の特定分野の知識や、長年の経験により培われた観察力や洞察
力などによって、”解釈”や”判断”の仕方なども違ってきて、結果が大幅に違うなんてことも実際、
見てきてますので、やはり一概に数値だけ当てにすることもできないものだなぁなって思います。


また、

”The most common IQ test, the WISC-IV, has been criticized because the scores
are lower; however, using the General Abilities Index (GAI) will factor out much
of the motor dexterity component. Most HG (highly gifted) and PG (profoundly
gifted) kids, while having exceptional abstract thinking skills, tend to have motor
skills which are closer to age level, possibly suppressing their scores on specific
subtests."

っと、⬆︎の同じ記事の中でもあげられているように、(ギフテッドの識別においては)全検査の
数値だけにフォーカスする必要はないと思いますね。


ギフテッドの子達(特に多くのHG、PG)の中には、抽象的思考は特に秀でているけれど、運動
スキルは平均に近いレベルで、それによって一定の下位検査のスコアを下げてしまい、ひいては
全体(全検査)の数値も低く出てしまうこともよくあるみたいですから。


ギフテッドのidentificationにおいては、各下位検査間にて著しい数値の差が見られ、全検査の
数値から判断し難い場合、GAIを参考にするべきで、実際、NAGCもギフテッドプログラムの
資格基準として、GAIやVCI、PRIなどの個々の指標も参考にするべきだと勧めています。




尚、GAI (一般知的能力指標)については、こちらのリンク先へ。




そしてこちらのDavidson Instituteの情報もすごく参考になります。
(また英語ですが。日本語に訳してなくてごめんなさい。汗)




HG/PGにかかわらず、全てのギフテッドの子のアセスメントに関して覚えておけば参考になる
情報ではないかと思います。


尚、私がHGやらPGやら持ち上げたら、中には、


「子供の能力をレベル分けしてラベルを貼るのは意味もなく、差別的だ!」


と、不快な思いをする方もいらっしゃるかもしれませんが、でも教育面においては子供が知的、
学力的にどの”立ち位置”にいるか、を認識するのは子供の学習ニーズを満たす為の計画手段の一
つとして不可欠なことであって、私はあくまでも教育設定面においての必要性として持ち出して
いるので、別に自分の子供が他の子よりも秀でていることをひけらかしたいとか、そう言った
エリート意識からくるものではありません。


あくまでもプラクティカルな視点から取り上げてます。


(∫が自分自身に適した教育環境や学習の機会が与えられてなかったら、多分、未だに学ぶこと
に対して意欲を失ってアンダーアチーバーや問題児のままだったと思いますし。だからギフテッド
が個人に合ったカリキュラムなり、学習レベルを設定をする為には、まず自己の”立ち位置”を知
ることが第一歩ではないかと思うのですが。)


その為にAbove-Level Testingがあるわけで、単に子供のレベルを区別してレッテル貼って、
はいそれでおしまい!というわけではないんですよね。


それは最終的な目的を達成するための”最初のステップ”に過ぎないわけです。


全てのギフテッドの子を、”ギフテッド”とひとまとめにして、(一般よりはアドバンスしている
けど)ほぼレベルが単一化されたギフテッド・プログラムやクラスに押し込み、同じレベルを学
ばせるという概念こそ、各自のユニークな学習ニーズを無視していて、最終的にはその子の”自分
に必要なレベルを学ぶ権利”が剥奪されているようで、それこそが”差別的”だと思うのですが。


(もし∫が大学とのDual Enrollmentの機会を与えられず、高校の授業で最高、Calculus BC
までしか取れなかったとしたら、多分、今頃、発狂してるんじゃないでしょうか。苦笑)

(∫はCalculus BCは7年生の時に終了している。)


だから私にしてみれば、そう言った現実的、実践的な部分を無視し、感情的にしか物事を見れな
い方が不思議で仕方がありません…


「差別」と「区別」の違いを認識して欲しいです。


最後の方は記事のタイトルから内容がかなり逸れてしまい、少しばかり辛口口調になってしまい
ましたが、(汗)最後まで私のぼやきにおつきあい頂き、ありがとうございました。


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by giftedinfo | 2016-12-16 08:55 | Testing &Assessment

WISC-IIIと WISC-IVの数値の違い:フリン効果

日本では少し前まで知能検査と言えば、WISC-IIIが使用されていたと思うの
ですが、WISC-Ⅲの改訂版、WISC-Ⅳが2010年に出版されて以来、その移行
もほぼスムーズに進み、今では大抵の心理士や医師、専門家達がこの最新版の
WISC-IVを使用している場合が多いのではないかと思います。


以前お子さんがWISC-IIIを受けられ、今回WISC-IVを初めて受けてみて、その
結果に(かなりの)違いが見られ、戸惑っている親御さん達も少なくないかも
しれません。


先進各国で実施されている知能テストの得点は、世代が進むにつれて1年間に
0.3ずつ上昇していると言われ、この現象をフリン効果( Flynn effect )
と言います。

(という事は、10年で3ポイントの数値の上昇という事ですね。)


この為、IQテストは定期的に平均値が100となるように再標準化されている
ので、新らしく標準化された最新版のテストの数値は、旧式版よりも数値が
低めにでやる傾向にあるようです。



これにより、同じ子供でもWISC-IVの数値が WISC-IIIより低いという結果
が見える場合も決して珍しくないようですし、数値が下がったからと言って必ず
しも能力が下がったというわけでもないと思います。


特にWISC-III WISC-IVでは、下位検査の内容や郡指数の出し方なども
違って来てると思いますし、まさにApple to Orangeで、同じ尺度では比較
出来ないのではないかと思います。


こちらアメリカではWISC-IVは2003年に出版され、あーちゃんが自閉症と
診断されたのが2003年の終わりに近かったので、あーちゃんはその後の定期
知能検査はWISC-IVばかりで、WISC-IIIは受けた事がないのでうちは比較
できないのですが、こちらの「AN OVERVIEW OF ISSUES IN ASSESSING
GIFTED CHILDREN」
という文献を見ますと、やはりこの新旧のテストの間
には、かなり著しい数値の違いが観察された事が記述されています。


ここでその部分を簡単にまとめてみますと、

・WISC-IVのテクニカルマニュアルによると、 旧式又は別のIQテストで過去に
 ”ギフテッドの範囲”(ここでは大抵が130以上を意味する)の数値を出した
 子供達63人のWISC-IVの平均全検査数値は123.5 だった。


・202人のギフテッドのサンプルによるStanford-Binet 5(SB5)の全検査の
 平均数値は124だった。


SBL-M(スタンフォードビネーの旧式版)で170ー235+の範囲だった25人の
 ”profoundly gifted”の子達のSB5での平均数値は130だった。
 
(おおぉ〜! あーちゃんのSB5の全検査数値は130+でした!)

SB5のサンプルでの最高数値は148だった。


という事で、旧式のテストでは130以上の数値をだしていた子供達が、WISC-IV 、
SB5の新しいテストでは、平均数値がどちらも一般的にギフテッドの数値とみな
されている130にも満たしていなかったようであります。


これはかなり著しい数値の下降と言えますよね。


この数値の傾向を心得ていると、以前のWISC-III と今後受けるWISC-IVの
数値に多少違いがあっても、それほど驚く事はないのではないかと思います。


尚、この文献にて著者は、ギフテッドブログラムの選考の要因としてWISC-IV
もしくはSB5を使用する場合、伝統的な130という足切り点よりも120という
数値の基準を適用する事が賢明であると唱えています。


そうすることにより、測定のエラーもある程度考慮に入れる事も可能ですし、
旧式のテストで130以上の数値をだしたかであろう子供達もふるいの目から
落ちるのを防げるかもしれないという考え方のようです。


そう言えば最近では、ギフテッドプログラムの選考基準も、かなり融通を効か
せた形がよく見られるようになってきている感じがしますね。


以前のように”全検査値130”にこだわらず、言語理解や知覚推理の数値だけ
対象にしたり、GAIを用いたり、全検査120など、全体的に数値を下げたり。


個人の才能なんてものは、知能検査の数値だけで判断されるべきものではない
と思うので、数値はあくまでも”選考要素の一部”として見て行くべきですね。
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by giftedinfo | 2013-05-11 18:14 | Testing &Assessment

ギフテッドのレベルを更に識別するWISC-IVの拡張規範

IQに関しての情報で、たまに目に入るのが、

「彼はIQが190で...」

とか言った知能指数の数値なのですが、こういうのを見たり聞いたり
すると私はいつも、(この数値、一体どのテストから得た数値?)と
思ってしまいます。

現在、アメリカで一般に用いられている Stanford Binet 5 WISC-IV
Differential Abilities Scales (DAS) などといった、個別式知能検査の
Ceiling(最高数値)は大抵が160~175の範囲であります。


IQ190 やら220とかいった数値が出てくるので知られているStanford-Binet
(Form L-M)
(スタンフォード・ビネー法 L-M版)は、最後に正規化された
のが1972年と、かなり時代遅れのテストであり、一部のギフテッド専門家達
の間では”並外れたギフテッドを選別できる唯一のテスト”として評価され、
使われている場合もありますが、現在ではギフテッドの選別法としては
ほとんど用いられていない事もあり、これらのずば抜けて高い数値は一体
どこから来ているのだろう?と思ってしまいます。


*並外れたギフテッドの選別が目的によるStanford-Binet(Form L-M)
の使用についての詳しい記事はコチラ。

Why We Use the Stanford-Binet (Form L-M)

Current Use of the Stanford-Binet (L-M)

ちなみにこちらはこの記事とは直接は関係ないですが、Stanford-Binet
(Form L-M)
WISC-IIIの数値を較べた資料で、(同じ人物のこれら2つの
テストのスコアの違いが表に記されています。)その違いがなかなか
興味深いです。

Comparison of Stanford-Binet (L-M) with WISC-III scores

ちょっと本題から脱線しそうになりましたので、又もとにもどしてと。

現在用いられているほとんどの知能テストの最高値が160辺りという事で、
これらのテストは”ギフテッドかそうでないか”というのを判別する目的
は果たすものの、Levels of Giftedness (ギフテッドのレベル)を識別する
という意味では、あまり効果的ではないようですね。


とは言え、最近ではこれらの一般の知能テストに、gifted (一般のギフテッド)
highly gifted(高度にギフテッド)とを更に識別する為に開発された、
”特別な測定メソッド”が適応されているようです。


日本でも普及され始めた WISC–IVでは、The WISC–IV extended norms
という、一般から更に拡張された規範を用いる測定法が追加され、これは
子供の下位検査の数値に1819が2つ以上あった場合、この規範が子供の
能力レベルを更に識別するのに大変参考になるとの事です。


詳しい計算方法などについての情報は、このサイトで得られます。


ただ、この測定法を利用する為には、下位検査でのRaw Score(実際問題
に答えて正解した数で、18、19などの最終的に換算された数値ーScaled Score
ではない)を知る事が必要となりますので、テスターがきちんとその
数値を記入している事を確認する必要があります。


下位検査の数値が19だった場合、子供はその検査での”最高数値”に達した
ことになるのですが、(下位検査の数値範囲は1~19で10が平均)19の数値
を得る為にはある一定の数だけの正解数を得る必要があり、例えば6歳の子
が「単語」の下位検査で19の数値を取る場合、35問は正解しないといけない
としましょう。

2人の6歳の子がいたとして、両方とも「単語」の下位検査では19と
いう数値だったとします。

1人はテストの質問に35問正しく答えられ、19という数値を得たとします。

もう1人の子は出される問題を次々とクリアしていき、最終的にとうとう
限界に達した時点では50問答えられたとします。

通常の場合、いくら50問答えられたからといっても、19という数値が
最高値なので、この子の「言語」の数値は19となります。

この二人は「言語」の下位検査数値が同じ19と言う事で、表面的には
”同じレベル”と見えるかもしれませんが、実は1人は35問、もう1人
は50問正解、と明らかに能力に違いがあるわけなんですよね。

これはその識別を明らかにしようと試みた方法なわけなんです。
(私のつたない説明で理解していただけるか心配ですが...)


あーちゃんが8才の時、当時どちらかと言えば北カリフォルニアに近い
ところに住んでいた私達は、わざわざ7時間以上も車をとばして、南
カリフォルニアまでギフテッドの専門家であるDr.パーマーを訪ね、本格的に
あーちゃんの知能検査をしてもらったのですが、その時のWISC-IVで、
あーちゃんのVCI(言語理解指標)148と出ました。

言語性IQが148という数値は>99.9パーセンタイルと、それ自体”highly gifted"
のレベルだったのですが、その細かい内訳をみてみると、

Similarities  (類似)  16

Vocabulary  (単語)  19

Comprehension (理解) 19


と、下位検査で19が2つあり、好奇心もあってこの「拡張された規範」
で調べてみると、(Dr. Palmerはさすがギフテッドのスペシャリストと
いう事で、ちゃんとこのraw scoreのデータも報告書に記入してくれて
いました。)「単語」と「理解」の両方の下位検査にて、19を得るのに
必要な正解数をうわまっていて、結局最終的には言語理解指標が
158という数値となってました。

(PRI–知覚推理指標は”ただのギフテッド”の範囲でしたが。笑)


まだギフテッド教育が普及されていない日本では、この識別法は教育機関
への実践的な応用としてはあまり関係ないとは思いますが、自分の子が
下位検査で最高値に達していた場合、そのギフテッドの度合いをある程度
把握するのには、親として参考になるツールではないかと思います。


*Dr.パーマー訪問の話題がでたついでといっちゃなんですが、その時の
思いでの写真もアップしました。

(当時あーちゃん8才)

          Dr.パーマーのオフィスがある Laguna Beach, CA




                あーちゃんがまだちっちゃい!



          せっかくだから、帰りがけにPismo Beachにも寄りました。





            やっぱりカリフォルニアはビーチがあって良いね〜。




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by giftedinfo | 2012-09-27 17:17 | Testing &Assessment

あーちゃんの知能テストの結果比較

先日のエントリーで、自閉症(Autistic Disorder)と診断された
グループと、アスペルガーのグループとでは、WISC-IVの下位検査
の結果にある種の「傾向」が見られると書きました。

その部分

”ちなみは私が持っているEssentials of WISC-IV Assessment
という本の中には自閉症のグループで一番高くでたのは「積木模様」
で、次に「行列推理」そして3番目が「絵の概念」でした。 
又、アスペルガーのグループでは、一番の高数値が「類似」でその次が
「知識」そして3番目が「絵画完成」でした。。”


わかりやすく書くと、

      自閉症       アスペルガー

高  1.「積木模様」     1.「類似」
   2.「行列推理」     2. 「知識」
   3.「絵の概念」     3.「絵画完成」



あーちゃんの現在の知能テスト上の認知プロフィールは典型的な
”聴覚言語優位のアスペルガー”の認知プロフィールのパターン
なようですが、(言語理解>知覚推理、ワーキングメモリー優位)
はて、自閉症(Autistic Disorder)と診断されて間もない頃はどうだった
んだろう?と急に気になり、随分昔のアセスメント結果を掘り起こし
てみたんです。

すると、面白い結果が!

自閉症と診断されて1年後と2年後の知能テストを見てみると、

(4歳)          (5歳)

積木模様  15       16
行列推理  13       14 
絵の概念  15       15
絵画完成  14       15
絵画配列  14       15

(*数値(SS)は1から19まで。 10が平均)

何と! 4歳と5歳とも、一番高い数値が「積木模様」となって
いるじゃありませんか!

最新のテストでは「積木模様」が14と、全下位検査で一番低い数値
になっているというのに!

言葉を習得して間もない頃は、かなり著しく言語性<動作性
だったのですが、(4歳ー言語性IQ101,動作性IQ127, 
5歳ー言語性IQ106、動作性IQ131)、それが6歳以降、”とても
同じ子供のものとは思えない”くらいに下位検査の数値の傾向が
ガラッと変わってきていました!

現在では言語性がダントツ優位であります。

3歳半で話し始める前迄は、よく色んなタイプのパズルもして遊んで
いたし、あまり熱狂的に興味があったとは言えませんが、それなりに
レゴやリンカーンログ、そして積木などで遊ぶ事も多かった感じがします。

でも言葉を身につけてからは、あまりそういった方面の遊びも
しなくなったし、図形やジグゾーパズルもしなくなりましたね。

知能テストにもそういった”興味関心”のシフトによるスキルの
違いが反映されるのでしょうか?

あーちゃんのテスト結果の流れを見ていると、知能テストはその時
のスキルを表すものであり、結構流動的なものなのかも〜、なんて
思ったりしたのでした
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by giftedinfo | 2011-08-31 16:37 | Testing &Assessment

スペシャルグループのWISC-IVプロフィール

私がたまにお邪魔するGifted Childrenのディスカッショングループ
のサイトでは、親が子供達の知能テストの結果を(数値も含めて)
公に公開して分析し合ったり、意見を交換したり、アドバイス
し合ったりと、とてもフランクに子供達の能力について話し合って
いて、第三者として見ていても非常に参考になります。

こうしたメンバーの中には現役の心理士や、ギフテッド教育専門
教師などもいて、これらのプロフェッショナル達の情報は実践的
に応用する事ができ、すごく役に立ちます。

先日も我が子の知能テスト(WISC-IV、アメリカではほとんどが
この最新版となっています)の結果に疑問を抱いた親が、数値を
細かく載せてスレッドを立てていました。

彼女の疑問(心配)とは、息子さんのWISC-IVの各下位検査の数値の
ディスクレパンシーがあまりにも大き過ぎるので、もしかして彼には
LD(学習障害)があるのではないか?という質問でした。

確かに、知能テスト内の下位検査の数値がかけ離れていると
いうのは一見するとちょと心配になるかもしれませんね。

ちなみに彼女がポストしていた息子さんの数値は、

・言語理解Verbal Comprehension(VCI): 144
・知覚推理Perceptual Reasoning(PRI): 136
・処理速度Processing Speed(PSI): 88
・ワーキングメモリーWorking Memory(WMI): 89



言語、知覚は明らかにギフテッドの域なのに、(VCI は”Highly Gifted”
の域!)確かに、言語理解と知覚推理の高数値と比べると、処理速度と
ワーキングメモリーの数値は平均以下とでて、少し警戒してしまう
かもしれません。

(そして結果的には全検査IQもこの4つの下位検査の平均的数値
になってしまうので、VCIのような高い数値はでないでしょう。)

でもほとんどの場合、WISC-IVの下位検査のディスクレパンシー
だけを見て”LD”を診断するプロはいないと思います。

アメリカでLD診断の参考としてよく使われるモデルは、IQ-Achievement
Discrepancy
で、知能テスト(能力の可能性)と学力テストなどの
実績(実際のアチーブメント)の差などを参考にしたり、後は実際
のクラスでの観察や成績結果など、複数の要素を取り入れて考慮
するようです。

それでも、アンダーアチーブメントの原因は”LD"に限られていない
ので、(レベルの低い授業に退屈で、やる気を失い成績不振等)
様々な方向から色んな要素を探っていくべきのようです。

又、ギフテッドは普通の人口と比べて、能力に大きな凸凹の差がある
のも決して珍しくない事のようです。

どちらかと言えば結構多い!

(あーちゃんをテストしたギフテッドの専門家もおっしゃってました。)

という事で、その親に対して寄せられた意見として、”cautions against
"profile analysis"
(知能テストの数値やプロフィールの分析だけ
による診断への警戒)があげられていました。

参考文献までリンクしてくれていて、読んで(ほう〜、なるほど〜ね)
と思いました。

興味のある方はコチラ

又、この同人物は別の参考文資料もリンクしていたのですが、こちら
は面白い事に、ギフテッドや自閉症、ADHD 、各種の学習障害など、
”診断されている”(もしくは認識されている)スペシャルグループ
を対象にして得たWISC-IVの結果をまとめたレポートでした。

テストの数値のみで「診断」するのはリスキーでけど、逆に、
すでに”診断済み”の各グループはWISCにおいて、一般グループ
(norm)と比べ、どのようなパフォーマンスの傾向を見せるの
だろう”とちょっと好奇心が湧きました。

英語ですが、そのリンクです。

WISC-IV Technical Report#3

"Children Identified as Intellectually Gifted"(ギフテッド)は
1ページ目で、"Children with Asperger's Disorder"(アスペルガー)
は7ページに載っています。

このレポートによると、「ギフテッドのサンプル」では知覚推理(PSI)
の中では「絵の概念」の下位試験が一番低い数値だったとか。

実はあーちゃんも「絵の概念」が一番低かったんです!


(日本版WISC-IV実施・採点マニュアルより転載 © 2010 NCS Pearson, Inc.)

そして更にアスペルガーのグループを見ると、このサンプルは
言語理解の中の「類似」が高く、やはり「絵の概念」が低かった
ようです。

あーちゃんも「類似」の数値が高く、「絵の概念」が低かったです。

こうして見ると、何だか非常に興味深いですね。

もちろん診断を受けた個人が全て似たようなパターンを持って
いるのではありませんが、このようにグループ別に観察すると、
何だか一定の認知のパターンやスキルの凸凹パターンが見えて
くるのかもしれません。

ちなみは私が持っているEssentials of WISC-IV Assessment
という本の中には自閉症(Autistic Disorder)グループの一番
高くでたのは「積み木模様」で次に「行列推理」そして3番目が
「絵の概念」でした。



又、アスペルガーのグループでは、一番の高数値が「類似」
その次が「知識」そして3番目が「絵の完成」でした。

あーちゃんの認知パターンは、言語優位の典型的アスペルガー
のパターンです。 知覚、動作よりも言語。視覚よりも聴覚と
いった感じです。

何だか色んな認知のパターンがあって、本当に興味深いですな〜
なんて思いました。
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by giftedinfo | 2011-08-30 16:36 | Testing &Assessment

アメリカ在住。2e (Gifted & ASD)の子を持つママがこれまでネットや本、ペアトレ、ワークショップなどで収集してきたギフテッド/2Eに関する情報や、我が家が実際体験したギフテッド関連の事などを記録しています。My 2e kidのカテでは息子の自慢話も盛りだくさんですので、親バカ恐怖症の方は要注意!


by あーちゃんママ
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